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新技術とアイデアを駆使して、巨大な再開発工事を進めています「赤坂五丁目TBS開発新築工事」
Vol.030

新技術とアイデアを駆使して、巨大な再開発工事を進めています
「赤坂五丁目TBS開発新築工事」


■全国でも屈指のスケールを誇る再開発工事
東京都港区赤坂で当社が1994(平成6)年に施工した東京放送(TBS)の本社屋は、その独特な形状から「ビッグハット」の愛称で知られ、赤坂のランドマークとなっています。
現在、このビッグハットの眼下に広がる約3万m²もの敷地で、工期が5年3ヵ月に及ぶ大規模な再開発工事が進んでいます。敷地には数年前まで、TBS会館やメディアビル、赤坂ブリッツなどがひしめき合い、さながら"TBSの城下町"のような賑わいを見せていました。

今回の再開発は、これらの施設を解体し、新たにオフィスと商業施設が入る地上39階建ての業務棟、2,800人収容のライブハウスや劇場向けの文化施設棟、そして地上21階建ての住宅棟などを建設する計画で、当社JVは業務棟と文化施設棟を担当しています。2棟の総延床面積は19万m²を超え、当社の全国のプロジェクトのなかでも屈指のスケールとなっています。

■新開発の山留技術で"規格外"の工事を乗り切る
工事は、約30棟の施設を解体後、傾斜のある敷地をビッグハット側から住宅棟、文化施設棟、業務棟の順に段々畑のように造成することからスタート。そこでポイントになったのが、高さ14mにもなる住宅棟と文化施設棟の段差です。この山留壁の施工が解体・造成工事で最大の難題となりました。

当初の設計は、傾斜を削り取った段差部に巨大なL字型の擁壁を設置し、土圧を支えるというもの。しかし、この工法にはいくつかの課題がありました。築造に伴う掘削と埋め戻し作業では、ダンプ約5,000台の土砂の移動が必要になります。加えて、都市計画法の開発行為で認められるRC造の擁壁は、高さ7mが限度だったのです。

この問題に対し、施工を担当する現場では、社内の特殊工法部や設計部とともに「Newスーパーリブ工法」という新たな山留技術を提案。これは在来工法で現場打ちコンクリート壁を構築し、壁面の凸型リブと親杭横矢板で土圧を支えるという工法で、アンカーや切梁を必要としないことが大きな特徴です。
また、本体工事ではこの山留壁を地下外壁や基礎杭に転化できるので、擁壁の高さ制限の問題もクリアできます。さらに、発生土量を抑えて周辺環境への影響を軽減するとともに、工期の短縮という効果もありました。発想を転換した新たな技術の提案が実を結んだのです。

■1日の作業員は800人! 抜群のコミュニケーションで進行中
業務棟の鉄骨工事は地上32階まで達し、地下工事は最深部の床を施工する段階に入りました。文化施設棟も基礎躯体工事が順調に進んでいます。
繁忙期を迎えた工事は施工範囲が広く、1日あたりの作業員は総勢800人近くにもなります。現場の隅々まで目を配り、作業員の代表者で構成される職長会と連携して、いかに指示や情報を末端まで伝達するかが施工管理のポイントとなっています。

そのため、日々の工事調整では約70人の職長との打ち合わせに加え、JV職員による連絡会にも力を入れています。全フロアの作業内容を周知するほか、1日に400台にもなる車両の動線を調整し、クレーンなど重機の作業計画を検討するのです。会議室の大型スクリーンに現場全体図や搬入予定表などを映し出し、状況を視覚的に理解できるよう工夫されています。このような日々の取り組み、そして抜群のコミュニケーションによって、各担当者の責任を明確にするとともに全員が工事全体を把握し、輻輳する作業がスムーズに進んでいます。

■大規模現場の情報管理にウェブサイトを活用
また、プロジェクトの情報管理で活躍しているのが、現場が当社の情報システム部門と共同で開発したウェブサイトです。現場のアイデアをもとに実用化したものです。
JV職員は約70人の大所帯で、連絡事項や図面、設計変更の指示書などは膨大な量になります。情報を整理して、タイムリーに更新や閲覧ができないかと考えたことが開発のきっかけです。このウェブサイトには発注者や設計会社もアクセスできるので、行事予定や議事録などの情報交換にも役立っています。また、大容量のデータ保管が可能で、セキュリティ面でも効果を発揮しています。

■お客様からの信頼、そして大林組の伝統をつなぐために
当社は、約50年も前からTBSの多くの工事を担当させていただいています。今もこうして仕事を任せていただけるのは、先人たちがお客様からの信頼にお応えする仕事をしてきたからです。今度は、この現場メンバーが力を合わせ、"大林組の伝統をつないでいこう"と取り組んでいます。

業務棟と文化施設棟の鉄骨建て方が完了すると、内装と外構工事に着手する予定です。赤坂の地図を書き換えるほどの巨大な工事は2008(平成20)年1月の完成に向け、いよいよ大詰めに入っています。

●工事概要
工事名称 赤坂五丁目TBS開発新築工事
施工場所 東京都港区赤坂
発  注 東京放送
設  計 久米設計
概  要 業務棟:RC造・SRC造・S造、B3、39F、PH付、延18万7,194m²
文化施設棟:RC造・SRC造・S造、B1、4F、延8,129 m²
工  期 造成工事:2004年3月〜
新築工事:2005年2月〜2008年1月
仮設店舗解体・外構工事:〜2008年7月
施  工 大林組、鹿島建設、前田建設工業、清水建設